スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

加藤健一事務所 第81回公演 「ザ・シェルター」/「寿歌」

「ザ・シェルター」/「寿歌」
(2012年3月2日~3月11日 下北沢本多劇場)

家庭用核シェルターをモニターすることになったセンタ(小松和重)は、
妻のサトコ(日下由美)、娘のカノ(占部房子)、
父のセンジューロー(加藤健一)とともにシェルターに入ることに。
家族はみんな気楽だが、会社にレポートを出さなければならないセンタはぴりぴり。
ところが突然停電したため、シェルター内のコンピューターが故障し…。(ザ・シェルター)
--------------------
核戦争が終わり、町を渡り歩くゲサク(加藤健一)とキョウコ(占部房子)。
二人は適当な芸をやって暮らしていたが、ある日突然道端でなぞの男、
ヤスオ(小松和重)に出会う。ひょんなことから一緒に旅をすることになり、
3人は新しい町へと向かうのだが…。(寿歌)
--------------------

今回は2本立て。それぞれがそんなに長い話ではなかったので、
一度に二つ見れたのは、とってもお得でした。
かなり昔に両方ともこの事務所では上演したことがあったとのことですが、
私は「煙が目にしみる」の初演からの加藤さんとのお付き合いなので、
もう10年以上はお世話になっているものの、こちらの作品は初めて。
いつも加藤さんの事務所でやるのとは違った雰囲気の作品で、
なんだか新鮮でした。

核の話とか、やっぱり昨年の3.11がこの作品を上演することにしたきっかけのよう。
あれからもうすぐ1年もたつなんて、なんだかあっという間ですね。
あの日のことは、きっと死ぬまで忘れられないだろうと思うけれど、
それでも少しずつ時間は過ぎていく。私たちは前へ進んでゆく。
作品は両方ともやや暗いテーマを内包しつつも、明るさが根にあったように思う。
その点には深く共感するところがありました。

大地震だとか、核戦争だとか、そういったところまではいかないまでも、
私も最近個人レベルでは結構にショックなことが起きたので、
これが何もなくて見たら、少し違った感想だったのかもしれません。
だけど、やっぱり人間、何かあまりに衝撃的な出来事に直面すると、
その人の根にあるものが出てくると思うんですよね。
絶望するか、それとも、最悪の出来事の下にあっても、希望を掴むのか。

私はそれでも、希望を忘れずにいたいと思います。
そして、この2つの作品に共通していたのも、そこだったように思えました。
運命に対する抵抗。
そんな台詞が「寿歌」の中にあったけど、これは運命だからって、
災難に負けたくありません。希望を持ち続けることは、自分の意思でできること。
そうやって人はこれまでも、つらいときを乗り越えてきたはず。
なぜなら希望は人の心にあかりを灯すから。

今回のふたつの作品は、パラレルワールドのような雰囲気が漂っていました。
同じ方の書いた作品だからかもしれませんが、不思議なやさしさがあって、
そこが魅力だったように思います。私はどちらかというならば、
「ザ・シェルター」のほうが好きだったかな。

加藤さんのお芝居では何度も見ていますが、日下さんが今回もかわいらしかったです。
やや天然の入った奥さんの役で、ほほえましかったですね。
そして加藤さんはいつもどおり、愛嬌があって素敵でした。
占部さんは正反対の役がふたつだったのに、両方ともしっくりきていて不思議。
そして小松さんはすばらしかったです。すごくはじけてた。
2作目の頭のおかしな人みたいな役は特に秀逸でした。

次回は3年ぶりの「川を越えて、森を抜けて」の上演とのこと。
前回のレビューはこちらですね。楽しみです。

関連記事
スポンサーサイト
コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。