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加藤健一事務所 第83回公演 「シュペリオール・ドーナツ」

「シュペリオール・ドーナツ」 Superior Donuts
(2012年8月25日~9月10日 下北沢 ザ・スズナリ)



シカゴのドーナツ屋、「シュペリオール・ドーナツ」がある日襲われる。
近所の電気店主マックス(有馬自由)が朝それに気づき、警察を呼ぶ。
店主のアーサー(加藤健一)が出勤するも、彼は心当たりがないという。
警官のジェイムズ(土屋良太)とランディ(塩田朋子)は、
何か思い出したらいつでも連絡をするようにいって、ドーナツ屋を後にする。
その日、突然店にフランコ(加藤義宗)という青年が訪れてきて、
アルバイトに雇ってほしいというのだが…。

今回が私、初めてのスズナリでの観劇でした。確かにいつもの本多劇場とは、
サイズも違うし、雰囲気も違うので、味があっていいと思うのですが、
外で劇場が開くのを待ってる間に、蚊に5箇所も刺されてしまいました
加藤さん、今後ここでお芝居をやるときは、夏はやめてください

閑話休題。
公演案内のチラシやパンフレットでも加藤さんがおっしゃっているように、
加藤さんの劇団でいつもやるタイプのお話とは違っていた気がします。
フランコの小説の話が出てくるよりも前の時点ですでに、
小説家を見つけたら」に似てるなぁと思ってみていたのですが、
最後のほうが少し、「コールドケース」も思い出させるような展開でした。
市井の人たちが一所懸命に生きていて、その中に悲しみがあって、
それでも真っ直ぐに進んでいくのだというメッセージが強くあり、
胸に迫るお話で、私は好きでした。

進め。絶対に止まるな。
夢を見つけたら、大切な何かを見つけたら、それをあきらめてはいけない。
苦しいことだけど、大変なことだけど、それでもしがみつかないといけない。
そうじゃないと失ってしまう。ただ毎日を生きていると、
毎日に追われて、こういう気持ちを忘れてしまうことも多い。
そして手遅れになってから気づくことも。そのときに泣いても、
もう間に合わない。だから止まってはいけない。

アーサーはフランコに出会うまで、奥さんを亡くしてから、
人生をあきらめていたんじゃないのかな。でもエネルギーに満ちていて、
生があふれているフランコに会って、そのずうずうしさも含めて、
また家族ができた。ひとりではないんだって気づいたのではないかしら。
フランコが言ったように、「敗北主義者」としてそれまで生きていて、
それでもいいと思っていたのだろう。だけど、いつの間に大きな存在となった、
息子のようなフランコを傷つけられて、彼は立ち上がる。
勝算もない。あてもない。
ただ手負いの獣のように、彼はひたすら闘うだけだ。その思いは真摯で熱い。

悪いことは近づいてくるのが見えない。
でもだからこそ、気が付いたときに必死で闘うしかないんですよね。
負けないで。あきらめないで。抵抗して。
あきらめない限りは負けじゃない。そしてその力は、やがて人を動かす。

二人が幕の閉じたあと、どんな物語を紡ぐのかはわからない。
でも、きっと大丈夫。そう思えるエンディングでした。
二人で支えあって、きっと前に進んでいけるね。

次回は「バカのカベ」。久々にハチャメチャなコメディのようで期待しています!
唯一残念なのは、フランスの作品にようなので、気に入ったとしても、
原語でシナリオを読めないことだ。でも楽しみです!

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