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加藤健一事務所 第92回公演 「ペリクリーズ」

「ペリクリーズ」 Pericles
(2015年2月19日~3月1日 下北沢本多劇場)



ツロの領主ペリクリーズ(加藤健一)は、絶世の美人であるという王女に求婚するため、
アンティオケを訪ねる。だが、その王であるアンタイオカス(山崎清介)は、
その美しい王女(加藤忍)と近親相姦の関係にあった。そのことを知ったペリクリーズは、
身の危険を感じてツロを出てタルソへと航行する。タルソにて小麦を渡す代わりに、
身の安全を願うペリクリーズに、太守のクリーオン(畠中洋)は忠誠を誓う。
やがてアンタイオカスに居所を察知されたペリクリーズは、その地を離れ、
また航路につくのだが…。

久しぶりの加藤さんのお芝居です! いや、前回の「ブロードウェイから45秒」も、
実は見に行ったのですが、個人的な事情で記事を上げる余裕がありませんでした。
今回は長らくお世話になっている加藤さんの事務所ですが、
私は初めてのシェイクスピアということで、ちょっぴり緊張していましたが、
その不安をさらりと解いてくださるのは、いつもの加藤健一マジックでした。

シェイクスピアって、やはり言い回しがとても難しくて、
直喩、暗喩などの比喩表現が多く、気軽に見てはいけないものという思いがありました。
「ロミオとジュリエット」や「マクベス」など、有名な作品は知っていますし、
文章の形であれば、戯曲を読んだこともあるのですが、活字であればこそ、
すぐにわからなくても、辞書も引けるし、前のページに戻ったり、
何度も反芻することで入ってくるものもあるのですが、舞台としてだと、
生で、巻き戻しが聞かないので、ちょっと敷居が高い印象があるんですよね。
でも、今回の「ペリクリーズ」はそうではありませんでした。

同じ役者さんが何役も演じるし、場面や国の転換も早いので、
のんびり反芻する時間はありません。でも、話の筋はかなりクリアで、
主役であるペリクリーズの数奇な運命に、どんどん引き込まれていきました。
私はこの戯曲のことは知りませんでしたし、内容の予習もせずに行ったので、
どのような結末が用意されているのかは、知りませんでした。
創作ならではのご都合主義は、なかったとは言えません。
でも、それでも、最後にシェイクスピアがペリクリーズに見せた希望は、
胸に明かりを灯すものだったし、私は思わず涙してしまいました。

つらいことって、いっぱいありますよね。
もちろんこのペリクリーズのような、とんでもない不運に出会うことなど、
今の日本で生きていれば、そうそうはないだろうと思います。
でも、それはあくまでも比較の問題であって、たとえ小さなことであっても、
その人それぞれにとっては、やはりつらい気持ちはおんなじで、
その大小を他人がどうこう言うことはできないと思うのです。

だけど、やっぱり人の善意を信じたいし、自分の善行を信じたい。
情けは人のためならずではないけれど、たとえ損に思えても、
自分の心がまっすぐでいられる道を選びたいなと…思った次第です。
因果応報はあるのだと、心に留めておきたいと思います。

さて。次回は「バカのカベ」の再演の様子。
コンサートですっかりファンになってしまった、清水さんに期待しています!
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