スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

BLISS企画 「花いちもんめ」

「花いちもんめ」
(2015年10月8日~10月11日 下北沢駅前劇場)



四国で女一人、遍路旅をしているすず(加藤忍)は、後ろから誰かにつけられている気がして、
不安を隠せない。山道で行き合った旅人に、彼女はその昔、まだ若かった頃、
自分が満州にいたときの物語を語り聞かせる…。

とてもどっしりとした作品だったので、自分の中で内容を咀嚼するのに、
数日かかってしまいました。千秋楽の11日に見に行ったのですが、
本当に涙、涙で、なんとなく「そんなことなのでは」という予感はあれど、
やはり言葉でその結末を聞くというのは、胸に受ける衝撃が違っていて、
いろいろと考えてしまいました。

追われゆく 襤褸の群れは声もなし せめて摘みたや 花いちもんめ
この歌の静かなすごみというか、たたずまいがこの作品を表していたと思います。

忍ちゃんは本当に大好きな大好きな女優さんで、いつも加藤健一さんの舞台で、
ご活躍されているのを拝見していますが、ひとり芝居を見させていただくのは、
今回が初めてでした。この作品は再演なのですが、初回に公演されたときは、
見に行くことができなかったので。いつもの彼女が演じている役は、
若い女性の役が多くて、きれいで、はつらつとしたものが多い印象です。

今回の「花いちもんめ」の役は、どんなに若くても60代かなというくらいの老女で、
見た目はいつもと同じく若々しくおきれいなのですが、
そこは彼女の言葉で語られる、まだ自分が夢に満ちていられたころの、
満州の世界の姿を映していたと思います。でも、声に幅があって、
物語が後半、少しずつ核心に近づいていくに連れて、
ああ、この人は心が事件によって本当に年老いてしまったのだと、
切々と訴えてくるものがあって…。
「知っていたのです!」という忍ちゃんのふり絞るような叫び声が耳から離れません。

花いちもんめって、小学生のころ、遊んだ記憶がありますが、
これも残酷な遊びですよね。両方が勝ったり負けたりしているうちはいいですが、
どんどん人が減っていくと、残された子供は、自分が友達に好かれていないと、
わかってしまいますし、子供というものの無邪気な残酷さをくすぐる遊びのような気がします。
そんな子供のころの記憶もよみがえってくるような作品でした。

子供って、大人が思っているよりも敏いもので、
小さくても、意外と色々なことがわかっていると思います。
私は自分が7歳の時に母が離婚して、女手一つでずっと育てられてきて、
かなり貧しい環境で育ってきたので、なんとなく撫子の気持ちがわかる気がします。
自分がわがままを言ってはいけないとそのころから自制していましたし、
何かほしいものがあっても、それを自分がいったら、
お母さんが困るだろうと思うことは我慢するという癖が小さいころからついていました。
撫子もきっと、満洲男のためにお母さんがせずにはいられないことを、
わかっていたけれど、それをお母さんにいったら、お母さんを困らせ、
悲しませるということがわかっていたから、いえなかったんでしょうね。

この物語がとじられたあと、すずは、撫子はどんな気持ちで日を過ごすのでしょうか。
すずはきっと黄泉の国まで自分の秘密を持っていくのでしょうし、撫子は…。
アフタートークで少し心軽くさせていただいたのですが、
それでもやはり重い作品で、うまく自分の言葉をまとめることができません。
なんだかこうやって書いてみても、自分でもよくわからなくなってきましたので、
この辺にしておこうかと思います。

次はクリスマスコンサートですね。去年はサマーだけお伺いして、
クリスマスは卒論の追い込みでいけなかったので、今年は楽しみにしています。

関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 演劇 - ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。