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加藤健一事務所 第95回公演 「女学生とムッシュ・アンリ」

「女学生とムッシュ・アンリ」 L'Etudiante et Monsieur Henri
(2015年12月2日~12月13日 紀伊國屋サザンシアター劇場)

独り身の老人、アンリ(加藤健一)の家を突然女子大生が訪ねてくる。
彼女はコンスタンス(瀬戸早妃)と名乗り、ルームシェアの広告を見てやってきたという。
アンリの息子ポール(斉藤直樹)は、母が亡くなってからずっと一人暮らしの
父を案じて、ルームメイト募集の広告を出していたのだということがわかる。
部屋が気に入ったコンスタンスだが、ピアノを触るなというアンリの警告を無視し、
ピアノの演奏をしようとして、部屋を追い出されそうになり、なんでもすると申し出る。
アンリは気に入らない息子の嫁、ヴァレリー(加藤忍)を追い出すことに
コンスタンスが協力して、息子夫婦が別れるように仕向けてくれれば、
3か月の家賃をタダにしようというのだが…。

少し前に見た加藤さんの年収めのお芝居。レビューが遅くなってしまいましたが、
どうにかぎりぎり年内、自分の誕生日にアップ。危ないところでした。

私はハリウッドに毒されたエンタメ上等人間なので、わかる人だけわかればいいみたいな、
欧州系(おもにフランス)のアート系のストーリーがあまり得意ではありません。
この作品は加藤さんの事務所での初演で、今まで見たことがない作品だったので、
どんなものなのかわからないで足を運んだのですが、変なフランス風のひねりがなくて、
素敵な作品だったと思います。やさしいけれどほろ苦い人生を思わせる舞台でした。

人生は成功するか、失敗するかで決まるわけではない。
このセリフには、何かずしんと来るものがあって、なかなかレビューがあげられませんでした。
以前にも書いたような記憶があるのですが、勝ち組・負け組とか、格差社会とか、
何か人をあっと言わせないとだめというか、人より(実際にではなくても)
秀でていなくては駄目だとか、なんだかぎすぎすした時代ですよね。
Facebookとかもそうだと思うんですが、「素敵な自分」を演出することが、
日常である人がかつてないほど多い時代だと思います。

私は人様にお見せできるような素敵な日常なんてこれっぽっちも過ごしてないし、
自分をよく見せることにも、自分の生活のブロードキャスティングにも興味がないので、
持ってるのはこのブログくらいで、私生活についてはほとんど書きません。
Facebookは仲のいい人の誕生日の連絡があったときにメッセージを書くくらいで、
他人のポスティングも基本読まないので、まだましなほうかなぁとも思いますが、
そうじゃない人の疲れは、私の比ではないだろうと思います。
そんなこと関係なしに生きている私だって、かなり疲れてるくらいですから。

誰にでも承認欲求ってありますよね。いい人だって思ってもらいたいし、
負け組と思われるよりは、あの人は成功してるって思われたい。
でも、結局それ自体が、自分の幸せを遠ざけているのだとしたらどうなんだろう。
「あの人に認めてもらう」ことでしか自分の幸福が満たされないのだとしたら、
それは本当の幸せなのかどうか。

昨日、大学の心の置けない友人と4人で忘年会をしました。
その中に本当に頭がよくて、苦労もたくさんしてきたきれいな女性がいて、
毎回会うたびに、彼女にはいろいろと言われるのですが、昨日もバッサリと、
「他人軸で幸せを測ってるうちは本当に幸せにはなれないから、
他人を喜ばせることをやめて、自分が100%幸せになることを追求しろ」と言われました。
すごくそれは胸に刺さる言葉で、いろいろと考えさせられました。

コンスタンスは父親に認めてもらいたいという思いが強くて、
彼女自身の心が求めるものを失っていた。それをアンリは見抜いていて、
彼女に自分の心の望むままに生きろということを教えてくれる。
たとえ父親が認めてくれなくても、アンリはコンスタンスのことを認めているし、
そんな自分を自分自身が認めてやるべきだということを。
そしてその言葉は、アンリ自身すらをも目覚めさせる。

人の承認なしに、ひとりで立つって、難しいことですよね。
誰だって安心したいし、大丈夫なんだって誰かにいってもらいたい。
でも、そんな不安すらを脱ぎ捨てて、荒野にひとり立ったとき、
やっと人は自由になれるのかもしれません。
他人がなんといおうとも、自分にとってはこれが幸せなのだと言い切れる強さ。
それを持った人にしか、見えない世界がそこには広がっているのかも。

難しいけど、でも、来年は何かを言い訳にして、自分の幸せを追い求めることを、
阻害することはしたくありません。どこまでそれができるのかはわからないけど、
自分が変われるように努力をしてみたいと思います。

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コメント

今年もよろしくお願いいたします

遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。

この舞台、ちらしを見たとき、行きたいなと思ったのですが、とうとう足を運べないままになってしまいました。

「他人を喜ばせることをやめて、自分が100%幸せになることを追求しろ」とは、凄い言葉ですね。
いいお友達を持っていらっしゃてうらやましいです。
自分の人生は自分のために生きなければなりませんものね。
でもそれは易しそうで難しいことですよね。

加藤さんの次回公演はどんなものになるのでしょう。
楽しみですね。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
良い一年にしましょうね。




tomatoさんへ

こんにちは。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

とてもやさしくて、いい作品だったと思います。人生が思い通りにいっている人って、そんなに多くないと思うのですが、そんな中で何を求めるのかを考えさせられるものでした。完全なハッピーエンドではなくて、でも、人生は悪くないと思わせる希望の光が差しているというか。きっと何年かしたら、また再演するのではないのかなという気がします。

> 「他人を喜ばせることをやめて、自分が100%幸せになることを追求しろ」とは、凄い言葉ですね。
本当に。私は自分の育ちのせいだと思うのですが、人の顔色を窺って出方を見るのが癖になっていて、さらに自分にとって嫌なことをされたり、いわれたり、逆に自分がさせられるときも、自分が我慢をすることで物事がスムーズに進むのなら我慢することを選択してしまう傾向があるんです。でも、それを繰り返して病気にまでなって、今は仕事も休んでいて、そういう自分が嫌になってきました。私が「これでほかの人が喜ぶんなら」という考え方をやめても、私が思うほど周りに迷惑がかかるわけではないと思うんです。ほぼ間違いなく。そしてそれが幸せへの一歩なのかなとも思います。

次回の加藤さんの公演は、所沢でもやる予定のBe My Babyですね。キャストも変わらないようですが、きっとパワーアップした舞台になるのではないかなと期待しています。

お互いに今年はいい年にしましょうね。これからもよろしくお願いします。
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